クラウドとオンプレミス、メリットを最大化できるWMSの導入形態とは?【徹底解説】

クラウドとオンプレミス、メリットを最大化できるWMSの導入形態とは?【徹底解説】

物流の作業をスムーズに行えるように、効率的で無駄のない倉庫内の商品や資材管理を実現する役割を担うWMS(ウェアハウス・マネジメント・システム)。

倉庫内の在庫データの管理に加え、基幹システムとして会計処理などと連携する在庫管理システムとは違い、WMSは倉庫内作業をスムーズに行うことを目的としているため、他の基幹システムとは切り離されているのが一般的であるとされています。

倉庫内作業に管理の対象が限定されて他の領域と連携もしていないWMSなら、選定するのも簡単そう。
そう思った方も少なくないのでは?

しかし、一括りにWMSといっても、実はさまざまな種類、そして導入形態が存在しているんです。


自社に適したシステムを選定できないと、見込んでいたようなメリットを出すことができない可能性も…!
ということで、今回はそんなWMSの導入形態を中心に、自社に適したシステムを導入するための選定ポイントをご紹介していきます。

導入形態の違い

先ほどお伝えしたとおり、WMSにはさまざまな種類、そして導入形態が存在しています。

種類の選定の前に、まずはシステムの運用にもかかわる大事な根幹部分である、導入形態を先に確認しておけるといいでしょう。

システムの導入形態には、自社内に設備や環境を整えるオンプレミス型とインターネットを介してサービスを利用するクラウド型の大きく2種類があります。

ここからはそのそれぞれの違いや特徴、メリットをお伝えしていきたいと思います。

オンプレミス型システムの特徴

まずは、オンプレミス型システムが一体どういったものなのかご紹介します。

プレミスは英語で「premises」と表記し、日本語に直すと「建物」「店舗」「施設」などの意味になります。つまり、オンプレミス(on the premises)は「建物内 / 店内で」という意味になります。

そこから関連して、IT関連用語で「オンプレミス(on-premises)」は、サーバー機器などのハードウェアや業務用アプリケーションといったソフトウェアを、利用者の管理する”施設内”に設置し、”施設内”で運用していくことを指します。

以前はこのオンプレミス型システムしか存在しなかったため、自社施設内に必要な環境を揃えて運用するしかなかったのですが、近年のインターネット回線の高速化や、コンピュータの仮想化技術が向上したことにより、クラウド型システムが登場してきました。

オンプレミス型のWMS導入のメリット

それでは、オンプレミス型のWMSを導入するメリットとは一体何なのでしょうか。

近年主流となっているのはクラウド型WMSなのですが、オンプレミス型WMSにもクラウド型WMSにはないメリットがあります。

それはカスタマイズの柔軟性。
オンプレミス型WMSは自社に運用に必要となる環境をすべて整えて管理を行うため、自由なカスタマイズを行うことができます。 初期のカスタマイズだけではなく、増設や運用の変更が発生した際にも、自社内における柔軟な対応が可能となります。

また、セキュリティ面に関してもメリットがあります。
オンプレミス型WMSの場合は、自社ネットワーク内で運用が可能となるため、外部ネットワークの通信状況や他社からの影響を受けることなく運用することができます。

自社用にカスタマイズした柔軟な運用をしたいという企業においては、オンプレミス型のWMSを有効活用できるでしょう。

オンプレミス型のWMS導入のデメリット

続いて、オンプレミス型のWMSを導入するデメリットをお伝えします。

先ほどメリットでお伝えしたように、オンプレミス型のWMSを導入する場合は自社内に環境を整える必要があります。 そのため、初期コストがどうしても高くなってしまうという点がデメリットとなってきます。

また、そうした設備の購入やシステム構築期間を経てからの運用となるため、導入から実際の運用開始まで期間がかかってしまうという点もデメリットであると言えます。

クラウド型システムの特徴

次に、クラウド型システムが一体どういったものなのかご紹介します。
近年、多くの企業がシステム運用の方法として導入しているのが、このクラウド型システムです。

オンプレミス型システムとは対照に、クラウド型システムでは、インターネット経由で別のサーバ上にあるサービスやアプロケーション、データを利用することができます。そのため、ハードウェアや設備を自社内に保有することなく、利用したいサービスを利用できるのです。

クラウド型のWMS導入のメリット

先ほどクラウド型システムの特徴をお伝えしましたが、ここからはそんなクラウド型WMSを導入するメリットをお伝えします。

クラウド型WMSを導入する場合は、既に構築が完了しているシステムに対してインターネット経由でアクセスし、サービスを利用します。そのため、オンプレミス型と比べて導入コストを抑えることができます。

加えて、開発にかかる手間がない分、短期間でシステムを使い始めることができます。導入コストや期間がかかる傾向にあるオンプレミス型WMSを導入するのに比べて導入のハードルが低いため、中小企業を中心に活用されています。

クラウド型のWMS導入のデメリット

もちろん、クラウド型WMSを導入する場合にはメリットだけではなくデメリットもあります。

導入後に後悔しないために、ぜひデメリットも把握しておいてください。 自社の運用に合わせてカスタマイズできるオンプレミス型のWMSと比べて、既に構築されているシステムを利用するオンプレミス型WMSはカスタマイズ性が低くなってしまうことがデメリットであると言えます。

自社特有の業務が多い場合や、細かい要件がある場合は、カスタマイズ性が低いと導入のメリットが出にくいと考えられます。

オンプレミス型のWMSとクラウド型のWMSの違い

ここまででお伝えしたオンプレミス型のWMSとクラウド型のWMSのメリットとデメリットについて、改めてまとめていきます。

オンプレミス型のWMSのメリット・デメリット

まずはオンプレミス型のWMSのメリット・デメリットについて改めてお伝えします。

オンプレミス型のWMSのメリットは、カスタマイズ性や拡張性が高いため、自社に合ったシステムを構築しやすいという点です。そして自社ネットワーク内で運用が可能となるため、外部の影響を受けにくく、セキュリティ担保もしやすいという点がメリットです。

その一方で、オンプレミス型のWMSは導入コストは高額となり、導入から実際の運用開始までに長い期間を要してしまうという点がデメリットとして挙げられます。

クラウド型のWMSのメリット・デメリット

続いて、クラウド型のWMSのメリット・デメリットについて。

クラウド型のWMSのメリットは、自社内に環境を整える必要がないため、導入コストを抑えることができるという点。また、自社の運用に合わせて新たに開発する手間がかからないため、短期間で使い始められる点もメリットと言えるでしょう。

一方で、カスタマイズ性が低くなってしまうため、自社特有の運用がある場合や増設や運用変更が発生した際に柔軟な対応がしづらいという点はデメリットと言えます。

導入後のメリットを出すためのシステム選定

これまでオンプレミス型、クラウド型それぞれの導入形態のメリットとデメリットについてお伝えしてきましたが、導入後のメリットを最大化するために必要となる判断軸とは一体何なのでしょうか。

まずは、自社でどのようにシステムを運用していきたいのかを明確にすることです。
自社特有の業務が多いか、自社内に設備は整えられるかなど、システムを運用するにあたっての前提条件を把握しておくことが重要です。

次に、システム導入によって出したいメリットは何なのかを認識しておくことです。
企業ごとにシステムを導入することによって解決したい課題、そしてそれを解決することによって出したいメリットは異なります。それを理解したうえでシステム選定を行うことが、メリットを最大化するために重要となります。

最後に、コスト面について確認しておくことです。
システム導入にどれくらいコストがかかるのかという見積りに対し、自社がどのくらいコストをかけることができるのかという点を明確にしておくことで、現実的にどのシステムを導入できるのか、できないのかを判断することができます。

以上3点を踏まえて判断することで、自社の現状と理想に合わせたシステムの選定、そして導入によるメリットの最大化に繋がるでしょう。

いかがでしたでしょうか。

本記事では、オンプレミス型のWMSとクラウド型のWMSそれぞれの基本情報と、メリット・デメリットについてご紹介しました。

お伝えした内容が、自社の運用に合ったシステムを選定するきっかけになっていれば幸いです。