【保存版】海上コンテナの種類やサイズを解説!容積(M3)や上限重量も

【保存版】海上コンテナの種類やサイズを解説!容積(M3)や上限重量も

貿易取引の海上輸送の中でも、現在最もポピュラーなコンテナ船。定期的に運行していて、大変便利で欠かせない輸送方法です。

そのコンテナ船で利用されるコンテナには、様々な種類やサイズがあるのをご存知でしょうか。

本記事では保存版と題し、コンテナの種類とサイズ、また容積とや重量について徹底的に解説します。コンテナの選定に迷ったときは、ぜひ実務に役立ててください。

海上コンテナとは

海上コンテナとその種類について基本を解説

そもそも海上コンテナとは、国際的にISO規格で標準化されている海上貨物用コンテナのことです。

従来の貨物船は、現在の在来船のように貨物を直に荷積みしていましたが、天候に左右されたりうまく貨物を積み込むためには職人技が必要でした。

しかし、1960年代にコンテナ船が登場し、規格化されたコンテナで荷積みはぐんと効率的になったのです。しかも、天候に左右されずスケジュール通りに運行できるようになり、コンテナ船は貿易や物流の発展に大きく寄与してきました。

実務でコンテナに荷積みをする際は、コンテナのスペースの一部を借りて輸送するLCL(Less than Container Load)と、コンテナ1本を貸し切って輸送するFCL(Full Container Load)の2種類があります。

コンテナ船を利用する場合には必ずどちらの種類か問われるので、念頭に入れておきましょう。

海上コンテナの種類

海上コンテナの種類と特徴を紹介

コンテナは規格化されていると解説しましたが、全てが同じサイズ・形状ではありません。

コンテナの種類には、

  • ドライコンテナ
  • オープントップコンテナ
  • フラットラックコンテナ
  • リファーコンテナ
  • タンクコンテナ

の5種類ものコンテナがあります。

中には聞いたことない種類のものがある、という方も多いのではないでしょうか。それぞれ詳しく解説するので、参考にしてみてください。

ドライコンテナ

最も一般的なコンテナが、ドライコンテナです。皆さんがパッと想像されるものがこれに当たると思います。鉄製の箱の中に、貨物が置けるように床を敷いているものです。

工業製品や日用品などをはじめ、一般貨物を常温で輸送するに適していて、海上運賃も最も安価

基本的に、このドライコンテナではどうしても運べないもの、例えば常温で運べない、貨物が大きくてコンテナに入らない等の場合、残り4つのコンテナから選定が必要です。

ドライコンテナが一般的なため、残り4つのコンテナは、特殊コンテナ(Specialized Containers)と呼ばれます。

オープントップコンテナ

オープントップコンテナは、その名の通りドライコンテナの天井がないコンテナで、高さのある貨物を輸送する場合に最適。

また、オープントップコンテナは、高さはなくても重量のある貨物にも利用されます。ドライコンテナなどで通常、コンテナに荷積みするためにはフォークリフトを使用しますが、重量の制限があり何でも荷役できるわけではありません。

オープントップコンテナが荷役できるのは、おもにフォークリフトなどで荷役できない重量貨物となります。

フラットラックコンテナ

フラットラックコンテナは、ドライコンテナから側面と天井を取り外した形のものです。主にドライコンテナの幅では入りきらない貨物を輸送するときに使われます

側面からと天井から貨物を荷積みできるので、オーバーサイズの貨物だけではなく、荷役設備の都合でフラットラックを使用することも。

特にフラットラックコンテナは、海上運賃が高額になります。

幅や高さがコンテナからはみ出していることが多いので、左右と上部に別のコンテナが置けず、場所を取ってしまうからです。利用したい場合は、事前に見積もりを取りましょう。

リファーコンテナ

リファーコンテナは温度調整のできるコンテナで、簡単に言えば、冷蔵庫のコンテナバージョンです。

通常のドライコンテナだと、航路によってコンテナの内部は60度〜70度まで上がると言われ、その環境に耐えきれない貨物や、食品の輸送などによく使用されます。

タンクコンテナ

タンクコンテナは、特に石油化成品、ガス類、食品原料、飲料水等の輸送に使われる、液体を入れられるコンテナです。

大きなタンクが付いていて、種類によって9,500~26,000リットルもの液体を輸送できます。

コンテナのサイズ・容積(M3)

コンテナのサイズや容積を解説

コンテナの種類について解説しましたが、それぞれの種類にサイズ展開があります。

  • 20フィートコンテナ
  • 40フィートコンテナ

ほとんどどのコンテナも、この2つのサイズから選べ、「20フィートドライ」「40フィートフラットラック」「20フィートリファー」などと呼びます。

いずれも高さと幅は同様ですが長さが異なり、それぞれ詳しく解説していきましょう。

20フィートコンテナ

20フィートコンテナのサイズは、以下の通りです。

【外寸】長さ6,058mm幅2,438mm高さ2,591mm

【内寸】長さ5,867mm幅2,330mm高さ2,350mm

【容積】約32M3(貨物は25M3前後が目安)

ISO規格で決められており、どのコンテナもおおよそこのサイズです。原則、内寸に合わせて貨物が入るかどうか、確認してから使用しましょう。

40フィートコンテナ

40フィートコンテナのサイズは、以下の通りです。

【外寸】長さ12,192mm幅2,438mm高さ2,591mm

【内寸】長さ12,032mm幅2,352mm高さ2,385mm

【容積】約65M3(貨物は55M3前後が目安)

20フィートコンテナに比べ、幅と高さは一緒ですが長さが約2倍になっています。20フィートコンテナに入りきらない長尺貨物や、FCLで荷量が多い場合に最適です。

ハイキューブ(HQ)コンテナとは?

20フィートコンテナと40フィートコンテナ、どちらもハイキューブというサイズ展開があります。これは、通常のコンテナサイズより少し高さのあるコンテナです。

【外寸】高さ2,896mm

【内寸】高さ2,655mm

内寸で約30cmほど、通常のコンテナより高くなります。オープントップコンテナやフラットラックまでは不要で、少し高さが必要な場合に最適です。

運賃も、ドライコンテナとほとんど同様に設定している船会社が多いですが、念のため確認しておきましょう。

コンテナの上限重量

コンテナの重量の上限や最大積載量を解説

コンテナのサイズは解説しましたが、重量はどれくらいまで積載できるのでしょうか?

20フィートコンテナ、40フィートコンテナそれぞれ解説します。

20フィートコンテナの最大積載量28,080~28,280kg

40フィートコンテナの最大積載量25,980~26,580kg

40フィートコンテナのほうが大きいですが、積載重量としては、20フィートコンテナのほうが耐荷重量があります。

これは、コンテナの強度だけではなくコンテナを港で荷役するガントリークレーンの強度を考慮して設定されているからです。

なので、コンテナの種類によって最大積載量が大きく変わることはありません。ただ上限ギリギリまで積載するのは破損などのリスクがありますので、目安としては22トン〜25トン程度と思っておきましょう。

まとめ:貨物のに応じて最適なコンテナを選定しよう

貨物の量から最適なコンテナを使用しよう

本記事では、5種類のコンテナの種類とサイズ・重量について解説しました。

コンテナは、様々な用途に対応し運送できないものの方が少ないくらい、非常に便利です。

ただし、コンテナの種類によっては海上運賃が高額となります。用途や量に応じて最適なコンテナを選べるようにしましょう。

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