D/O Lessとは?基本知識と実務の流れを徹底解説!

D/O Lessとは?基本知識と実務の流れを徹底解説!

様々な場面でペーパーレスを耳にする中、まだまだ紙媒体での取引のが多い貿易業務。貨物が自国に入国して、貨物を引き取る手続きも例外ではありません。

しかし近年、ようやく貿易業務もペーパーレスで処理できる業務が増えてきました。その中でも今回は、貨物を引き取るための「出庫手続き」をペーパーレスで処理を可能にする、”D/O Less”という方法を詳しく解説します。

D/O Lessとは

貿易業務におけるD/O Lessとは何かを解説

D/O Lessとは、輸入貨物を引き取るための出庫に必要な書類、D/O(Delivery Order、荷渡指図書)の紙媒体でのやり取りではなく、NACCSを介してペーパーレスで行う処理のことを指します。

NACCSとは「輸出入・港湾関連情報処理システム」のことで、税関や通関業者、船会社など輸出入に関わる各機関を共通の媒体で結び、貿易取引業務を迅速かつ効率的に進められるシステムの略称です。

通関を通関業者に依頼している場合は、NACCSへの登録作業は通関業者が行います。自社で通関する場合は、自社でNACCSへの登録が必要です。

また、D/O Lessでの取引は近年では一般的ですが、事前に各船会社へ申請が必要です。船会社によってフォーマットも違うので、初めての取引の場合は留意しておきましょう。

D/O(Delivery Order)とは

貿易業務におけるD/Oとは何かを解説

D/O Lessの概要は先述しましたが、まずはD/O(Delivery Order)が貿易取引でどのような役割があるのかを理解する必要があります。

D/O(Delivery Order)とは、船会社が発行する荷渡指図書のことです。輸入された貨物は、荷卸しされCYヤードやCFS倉庫へと運ばれます。D/Oは、そのCY/CFSオペレーターに向けて、指定の送り先へ貨物を配送するように指示する書類です。

D/Oには、「以下の貨物を指定の送り先へ配送ください」といったような文言から始まり、貨物が輸入された本船の情報や、パッキング情報、マーク、その他貨物の詳細が記載されています。

このD/Oおよび輸入許可書の2点を、CYヤードやCFS倉庫のオペレーターが確認し、初めて貨物を出荷できるのです。

なお、貨物の引き取りは本来B/Lと引き換えに行われるものでした。しかし、現在はB/Lそのもので貨物を引き取るのでは無く、B/Lの確認や船会社のチャージの支払い完了をもって入手できるD/Oにより、実際の引き取りができる仕組みになっています。

D/Oの発行

D/Oの概要をご説明したところで、具体的にどのようにD/Oを発行するのかを確認していきましょう。

D/Oは、入港後に船会社が発行する書類です。まずはそれを船会社から入手する必要があります。

D/Oを入手するためには、以下の処理を済ませてることが条件です。

  • B/L原本を船会社へ提出している
  • A/N(Arrival Notice)に記載されている船会社のチャージの支払いが完了している

ご存知の方も多いと思いますが、B/Lは貨物引き取りのために必要な書類ですので、必ず原本を船会社へ提出する必要があります。(SURRENDERED B/L、SEA WAYBILL等を除く)

また、A/N(Arrival Notice)には海上運賃やその他船会社の手数料(CY/CFSチャージ、BAF、THC、CO-LOAD FEEなど)が記載され、これも支払わなければ船会社は貨物をリリースしません。

この2つの処理が済んで初めて、貨物引き取りの手配ができるD/Oを入手できます。これにより、船会社も貨物を担保に自社のチャージも回収できる商流になっているのです。

D/Oと貨物引き渡しの流れ

D/Oを入手できれば、次は実際の貨物を引き取るための手配を行います。繰り返しになりますが、貨物引き取りに必要な書類は2点です。

  • D/O
  • 輸入許可証

これらを入手したのち、具体的に引き取る流れは、以下の通りです。

  1. D/Oを入手する
  2. 通関申告を終え、輸入許可証を入手する
  3. D/Oと輸入許可証を配送業者へ提出し、配送先、配送日程などの指示をする
  4. 配送業者がCY/CFSオペレーターにD/Oと輸入許可証を提示し、CY/CFSオペレーターが書類を確認後、貨物を搬出する
  5. 配送業者が指定の配送先まで配送する

今回の例は、配送業者へ配送を依頼する方法ですが、ご自身で書類を倉庫に持ち込み直接引き取りも可能です。

貨物の保管先はA/N(Arrival Notice)の「搬入先倉庫」の欄に記載されているので、直接引き取る場合はその欄を確認しましょう。

A/N(Arrival Notice)について、さらに詳細を知りたい方は以下のリンクをご参照ください。

D/O Less流れ

D/O Lessの流れについて解説

D/Oを利用した貨物引き取りの方法を理解したところで、本題のD/O Lessの手配について確認していきましょう。

D/O Lessの申し込み

まず、D/Oは船会社が発行するので、船会社ごとにD/Oの取り扱い方法は変わります。書面でも取り扱う船会社もあれば、近年では書面の発行を廃止している船会社も多いです。

なので、貨物が港に到着する前に取引しようとする船会社がどのようにD/Oを取り扱っているか、各船会社のHPで事前に確認してください。

D/O Lessを希望する場合は、船会社ごとに申し込みが必要です。主に各船会社のHPにD/O Lessの申し込みを行うページがあるので、時間の余裕を持って早めに申し込みを済ませておきましょう。

D/O Lessでの貨物引取の流れ

D/O Lessの申し込みが終わり、いよいよ貨物が入港してきます。入港から貨物引取の流れは以下の通りです。

  1. B/Lを入手し、必要な情報をNACCSに入力する
  2. 輸入申告に必要な情報をNACCSに入手する
  3. A/Nの船会社チャージを支払う
  4. 船会社が輸入許可やチャージの入金の確認、B/Lほか各書類の整合を確認する
  5. 船会社が荷渡しできると判断しNACCS上で処理を行うと、NACCSの「荷渡可能表示欄> Status」に“Y” = 処理完了(荷渡可能)と表示される
  6. NACCSで搬出依頼を登録し、CY/CFSオペレーターが内容を確認し搬出が可能になる
  7. 運送業者に引き取り、配送の手配をかける

NACCSは、税関はもちろん船会社や通関業者、CY/CFSオペレーターも、相互に特定の貨物の状況を確認できるシステムです。

必要な処理が行われれば、荷渡可能の記号が表示され、リアルタイムかつペーパーレスで搬出までの手配が可能です。

現在はD/O Less、通称「レス処理」が一般的なので、NACCSを介した処理の流れを覚えておきましょう。

NACCSを介して貨物の搬出依頼ができるようになったのもまだ最近で、2020年のことです。様々な貿易業務をペーパーレスにすべく、今後のNACCSのアップデートにも目が離せませんね。

D/Oの仕組みを理解して効率的に取引をしよう!

D/Oの仕組みとD/O Lessについてまとめ

一般的に貨物を引き取るためにはB/Lと引き換えと思われますが、実は実際に必要なのはD/O。さらに、NACCSを介してそれもペーパーレスにするD/O Lessという方法を解説しました。

ペーパーレスにより、リードタイムや手間を削減でき大変便利ですが、システムだけでは本来の貿易取引の仕組みが見えにくく、知らなかったでは済まされないトラブルになる可能性もあります。

きちんとD/Oの役割を理解した上で、D/O Lessでの処理を活用し、スムーズな貿易取引を目指しましょう。

Portrichでは、お客様の輸出入代行や最適な貿易取引をご提案しています。お困りのことがあれば、是非お気軽にご相談ください。