
海運フォワーダー大手4社を紹介。最適なフォワーダーを選ぶには?
これから貿易業を営もうとしている、また国際貿易に関わろうとしている方は「フォワー...
海運フォワーダー大手4社を紹介。最適なフォワーダーを選ぶには?
これから貿易業を営もうとしている、また国際貿易に関わろうとしている方は「フォワーダー」という言葉を聞いたことがないでしょうか?
フォワーダーは、国際物流にたずさわる場合、必ず耳にする言葉です。
フォワーダーは国際物流におけるプロですが、どんな業者なのか、どんな業務を行っているのか、詳しく知らないという方も多いかもしれませんね。
ここではフォワーダーとはどんな業者なのか、またどんな業務を行っているのか、どんなフォワーダー業者があるのかをご紹介しています。
これから貿易業や国際貿易に関わろうとしている方のために、分かりやすく解説していますので、早速見ていくことにしましょう。
フォワーダーとは
貨物を海外へ輸送したい場合に、船会社や飛行機会社がまず頭に上がると思います。
しかしこれらの会社は「キャリア」と呼ばれる会社で、港から港、空港から空港までの輸送は手掛けてくれますが、国際輸送に必要な手続きやそれに付随する業務は行っていません。
そこでフォワーダーが活躍します。
フォワーダーは、国際間の輸送業務全般を手掛けてくれる業者です。
日本国内から海外へ商品を販売するために貨物を輸送したり、また海外からの商品を日本に輸入したい企業の輸送を請け負ったりしてくれます。
国際間の貨物の輸送には、難しい手続きや、国ごとにより様々な法律の規制や運送方法が違う場合がありますが、そんな複雑な国際物流の代行も引き受けてくれる業者です。
またフォワーダーは通常、自社では輸送手段を持たずに海外輸送の手続きをサポートするのが一般的で、海外の納品先まで一貫して輸送をしてくれます。
フォワーダーの業務内容
フォワーダーの業務内容は貨物の輸送だけではなく、多岐に渡ります。
フォワーダーの業務内容を説明する前に、国際輸送をする際には、どんな工程を経て輸送されるのかを見ていきましょう。
- 船会社・航空会社や陸上輸送業者の選定
- 船や飛行機などの予約
- 貿易書類の作成
- 貨物のトラックへの積み込み
- 輸出通関
- 本船・飛行機等へ貨物を積み込む
- 海外へ輸送
- 貨物をヤードに積み下ろす
- 各省庁へ申請
- 輸入通関
- 港で貨物の受け渡し
- 貨物を国内輸送
- 貨物のお届け・積み下ろし
以上様々な工程がありますね。
国際輸送におけるこのような様々な業務を、フォワーダーは一貫して請け負ってくれます。
またフォワーダーの一番大切な業務は、貨物輸送の際に起きるトラブルを解決することです。
海外への貨物輸送では、スムーズに何も問題なく貨物が到着することはほぼ無いといっていいでしょう。
天候による船の遅延だったり、機材のトラブルが起こり荷物の積み下ろしが出来ない、また港でのストライキが起こったりなど、予測していなかったトラブルがいつ何時起きるか分かりません。
このような事態が起きた時に、可能な限りトラブルを回避して調整し、スケジュール通りにお客様の元へ貨物を運ぶのがフォワーダーの業務です。
フォワーダーの種類
フォワーダーと一口に言っても、業務によって色々な種類があります。ここからはフォワーダーにはどんな種類があるのかを見ていきます。
1. ブローカー
運送は行わず、海運会社や航空会社などと運送契約の取次ぎをします。あくまでも仲介手続きのみを請け負うため、運送人としての責任はブローカーには発生しません。海運業者や専門者に従属せずあくまで自由な立場の仲介業者です。
2. 非船舶運航業者
NVOCCとも言われる非船舶運航業者は、自らは国際輸送手段を持っていませんが、複数の手段を使って港から港への輸送を手掛けます。また荷主から配達地へ一手に引き受けて輸送してくれます。
3. 特定のサービスを請け負っている運送業者
個人での小口の荷物を請け負ってくれたり、それら小口の貨物を輸送先ごとにまとめ、大口貨物として輸送先に引き渡したりしてくれる「混載業者」と呼ばれるフォワーダーもいます。
個人でビジネスをしている方や、中小企業で小さな貨物を送りたいという場合に便利です。
「国際複合一貫運送業者」は船舶や航空機での運搬に加え、鉄道やトラックと言った陸上の運搬も一手に請け負ってくれます。
「インテグレーター」と呼ばれるフォワーダーは、自ら航空機やトラックを所有し、海外への運搬を請け負ってくれます。FedExやDHLなどの会社が有名です。
また国際輸送について調べていると「乙仲」という言葉が出てきますが、これは戦前の海運組合法という法律で使われていた言葉です。
定期船貨物の取次ぎをしていた業者のことを指し、その名残で今も「乙仲」という言葉を耳にすることもありますが、実質フォワーダーと同じ意味だと考えていいでしょう。
乙仲、通関業者との違いは以下の記事をお読みください。
海運フォワーダーの大手4社を紹介
ここからは海運フォワーダーの大手4社を紹介します。
大手のフォワーダーを選ぶメリットは、海外の営業所に日本人駐在人がいたり、取扱件数が多いので、豊富な経験を持っていたり、価格が抑えられたりすることなどがあげられます。
フォワーダーを選ぶ際には、自社の条件に適した会社か、処理が迅速で万が一の事態が起こった時に、対応できるのかなどを確認しておくとよいでしょう。
またそれぞれのフォワーダーによって得意・不得意な分野の業務があるので、その点もあらかじめ確認しておくようにしましょう。
1. 日本通運株式会社

法人向けの貨物輸送や物流輸送を多く手掛け、国際航空貨物を得意とします。
日本国内はもとより米国、欧州、アジアやオセアニア間を独自の高速社内デジタル回線でつなぎ、スピーディーで確かな情報網を駆使して、安定した貨物輸送を行っています。
日本通運の設立は1937年で、資本金は701億7,500万円。従業員数3万人以上を有する一大グローバル企業です。
海外の主な拠点は欧米、ドイツ、中国などにあり、その数は48か国744拠点を構えています。
日本国内の拠点は1,100箇所。運搬だけでなく、物流全般におけるサービスの向上も目指し「運べないものはない」をモットーに高度な梱包技術や、熟練のスタッフによる丁寧な輸送など万全な体制を取っているのも特徴。
2014年の1月には国宝である、法隆寺の仏像の運搬も手掛けました。大手である強みを生かした、超重量級貨物の運搬も得意とするところです。
石油や化学プラント設備、工場建設に伴う機器の輸送から据え付け工事まで一貫した業務にも対応しています。
お客様の引っ越しから医薬品、廃棄物の輸送、超重量貨物の運搬など特殊な分野にも対応できるのが強みです。
2. 株式会社日立物流

企業間物流においては国内最大手の企業です。
日本国内はもとより、米国、欧州、東アジア、太平洋地域における運営体制を敷いて、高品質なサービスを展開しています。
海外での拠点数は422か所、国内は33か所の拠点数があります。日立物流の創業は1950年で、グループ全体の社員数は約4万人。
3PL(サードパーティーロジスティクス)の業界における先駆者で、いち早く企業が抱える物流の問題を解決してきました。3PLとは、企業の物流部門を第三者に委託する業務形態を指します。
得意分野は航空輸送で、通関手続きから陸・海・空の交通手段を利用した一貫輸送を手掛けています。大手ならではのIT・技術力を生かした包装技術や物流改善に特化した業務が特徴です。
また物販の運輸だけでなく、販売物流として商品の在庫管理や入出庫作業、受注代行業務まで幅広く手掛けているため、お客様に負担のないサービスを構築することができます。
超重量級貨物の扱いも提供しており、鉄道車両の輸送から電力プラントなどの輸送、解体、組み立てや繊細な取り扱いが必要な精密機器や医療機器なども高い技術で安全に輸送します。
3. 株式会社近鉄エクスプレス

「あきらめず粘り強く挑戦する」をモットーに、航空貨物や海上貨物輸送を手掛ける企業です。
資本金は72億1,600万円、会社の創立は1948年で従業員数1269名の国内でも有数の大手物流企業。
その後、高度成長期を迎えていた日本で、航空貨物の重要性を見据え、1970年に日本初の航空貨物専業会社として事業をスタートしました。
設立当初から一貫して国際化を念頭に置いたビジネスを展開しています。
米国・欧州・日本・中国・東南アジアや中近東、アフリカまで関連会社があり、世界5極体制を確立し、環境や危機に強い物流が特徴です。
また海外46か国、311都市の834か所と国内に57か所に拠点があり、情報網を生かしたスピーディーな輸送を手掛けています。
得意な地域は中国とインドで、特に中国では日系最大のネットワークが強みです。
創業時から手掛ける航空輸送を得意とし、近鉄エクスプレスのノウハウを駆使して確実に届け先に貨物を輸送しています。
4. 日本郵船株式会社

1870年に創業し世界50か国以上、350都市以上の港へ乗り入れ、世界でも最大手の海運会社の一つです。
資本金は1,443億1千9百万、従業員は世界中で5万6千人が事業にたずさわり、グローバルな物流事業を展開中。
日本郵船株式会社ではコンテナ船での物流輸送の他、コンテナターミナル関連事業、航空運送事業、不動産業など幅広く展開しています。
その中でも特に海運業が得意で、30隻を超える超大型のコンテナ船を含む総数240隻の船を運行、世界中の広範囲なネットワークを構築してお客様の様々なニーズに対応しています。
日本で最大手である強みを生かし、特に大量輸送に関しては、高度なシステム荷投機器を設備して安全、かつスピーディーな荷物の積み下ろしをしています。
自動車輸送部門では、日本から海外向けへの主に輸出を中心とした事業の展開が特徴です。
また原油や石油製品、ケミカル、鉄鉱石など、経済活動に欠かせない物質の運搬も多数手がけてきました。
より付加価値の高いサービスを提供するために、内陸部への輸送や設備などのインフラ整備を常に見直し、他社を常にリードしています。
優秀なフォワーダーを見つけるのが貿易業の成功のカギ
自社の貿易業を成功させる決め手は、優秀なフォワーダーを見つけることがカギとなります。何よりも、自社の欲しいサービスをどのフォワーダーが行っているのかリサーチをしてから委託するようにしましょう。
フォワーダーによっても得意・不得意があるので、フォワーダーとの相性もしっかり考慮すると万全です。
Portrichではフォワーダーの課題である、サプライチェーンの可視化、貨物をリアルタイムで追跡できるなど、サプライチェーンの最適化を最大限創出するデジタルフォワーダーとしてソリューションを提供いたします。
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