SCMとERPの違いとは?メリットやデメリット、導入のためのヒントも解説!
仕事などを「効率化」するために、期待されているSCMとERP。それぞれの詳細や違...
SCMとERPの違いとは?メリットやデメリット、導入のためのヒントも解説!
仕事などを「効率化」するために、期待されているSCMとERP。それぞれの詳細や違いが分からない、といった疑問を解決します!
また、これから導入を検討している方へ、それぞれのメリットやデメリット、導入のヒントも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
SCMとは?
SCMとは、サプライ・チェーン・マネジメントの略で、原材料が調達されてから商品が消費者に渡るまでの、最適な生産・流通プロセスを作る取り組みのことを指します。サプライ・チェーンを直訳すると「供給連鎖」という意味です。
具体的には、「原材料・部品調達→生産→物流・流通→販売」の流れのこと。プロセス全体を情報の共有化や連携などによって統合管理し、必要なときに、必要な分だけ生産するための管理手法となります。
SCMのメリット
SCMを導入する最大のメリットは、在庫量の適正化や在庫削減です。
従来は、クライアントの要求をいつでも満たせるように、常に在庫を持ち、すぐに提供できる環境を作ることが主流でした。製造側も、大量生産する方が生産効率も良いため、余分に生産する傾向があります。
しかし、大量に在庫を抱えることで、調達から販売までの各段階で在庫が膨らみ、企業収益を逆に悪化させてしまうことが課題になっていました。
SCMにおいては、各段階で必要な数量を把握し、最適な量だけを生産することを目的とします。「必要なモノを、必要なときに、必要な数量だけ供給する」ことで無駄なコストを省き、回転率も上げることでリードタイムを短くすることが可能です。
SCMのデメリット
SCMでは「必要なモノを、必要なときに、必要な数量だけ供給する」ために、いつ、どれだけモノが必要なのかといった、需要の予測が大切です。
しかし、需要予測は難しい側面もあり、需要予測を外してしまうと欠品が発生して、商機を失う可能性があります。さらに、在庫を最小化してしまうと、自然災害などイレギュラーな時に、部材や商品の在庫切れで生産や販売活動がストップしてしまうといったリスクもあります。
極端に在庫を減らすのではなく、最適な在庫量を見極めて生産することが大切です。
SCMが必要とされる理由
SCMが必要とされる理由はさまざまですが、特に近年注目されている理由は、企業と市場のグローバル化です。
企業のグローバル化が進み、生産・調達・販売ネットワークが世界規模となっています。しかし、時差などでどうしてもリードタイムがかかり、需要者への提供が遅くなり競合にも遅れを取ります。
そこで、各プロセスの情報を一元的に管理し、リアルタイムに情報を共有・リードタイムを縮小できるとして、SCMは必要とされています。
他にも、日本の労働人口減少に伴い、少人数で最適な量を提供するためのサプライチェーンを再構築する際に必要になることもあります。
SCMについて、さらに詳しくは下記記事をご覧ください。
ERPとは
ERPは「Enterprise Resource Planning」の略称で、統合基幹業務システム、基幹システムと日本語では言い換えることができます。
ERPは、企業の「会計業務」「人事業務」「生産業務」「物流業務」「販売業務」など、つまりヒト、カネ、モノに関わる情報を一箇所にまとめて管理するためのシステムのことを指しています。
ERPのメリット
ERPのメリットは主に以下の3点です。
- 企業のデータを一元管理できる
- 本来の業務に集中でき、生産性が上がる
- リアルタイムな経営判断ができる
一元管理のメリットは、部署・部門間のデータ二重管理の手間や不整合を防ぐことです。また、部署間の調整やコミュニケーション等も簡単になることからミスを防ぎ、各社員の生産性が上がることが期待できます。
また、ERPでは売上や利益、生産にかかる工数とコスト、債権など財務情報、仕入や在庫状況、人事情報など、現在の経営状況をリアルタイムに把握することができます。経営者もシステムを確認することで素早い経営判断ができます。
ERPのデメリット
ERPの主なデメリットは以下の3点です。
- システム選定・構築の難しさ
- 導入・保守費用のコスト
- システム使用のための社内啓蒙
まずERPの導入に、二の足を踏むことが一番多いのがシステム選定・構築の難しさだと思われます。会社規模が大きくなるほど、各部署の情報の集約およびERPに置き替える業務の棚卸しは、想像するだけでも相当な労力です。
また、非常に高度な機能を持ったERPは、導入や保守費用が高額になることがあります。これもERPの導入を諦めざるを得ない理由となる企業もあるでしょう。
さらに、ERPは幅広い部署と社員が使用することが前提となりますので、基幹システムの利用経験が浅いもしくは経験がない社員が多い場合、社内でのERP活用に関する啓蒙も骨が折れる業務です。
とはいえ、ERPは導入後のリターンや付加価値が大いに期待できるシステムです。その点も是非念頭に入れた上でERPの導入を検討してみてください!
ERPが必要とされる理由
ERPが必要とされる理由は、以下のようなものが挙げられます。
- 業務最適化で多くの課題が解決できる
- コンプライアンス対応の重要性が高まっている
- 意思決定を迅速化し、競合他社の先を行くことができる
ERPでは、各部署の情報が連携していることで、多くの業務の無駄を省くことができます。各部署の情報を素早く参照できることは、長時間労働などの労務面の改善が期待できるほか、本来の業務に集中できることで、全社的な課題解決へとつながります。
また、近年コンプライアンスは各企業の急務となっています。ERPは、部署の垣根を超えた情報管理ができるので、内部統制に非常に有効と言えます。
さらに、ERPでは各担当だけでなく経営者や管理職が直接情報にリアルタイムにアクセスできます。この特性を活かし、常にリアルタイムに経営判断を行え、迅速な意思決定ができることが期待されます。
ERPとは何か、さらに詳しく確認したい方は下記リンクを参照ください!
SCMとERPの違い
次に、SCMとERPの違いを解説します。
SCMは業務の流れを効率化する
SCMは、原材料/部品の調達から製造、在庫管理、販売、配送/輸送といった一連の流れを最適化することで、顧客に最良価格で製品を提供し、企業としての利益を最大化していくという概念です。
「必要なときに、必要なものを、必要な分だけ」生産・在庫することで、効率よく生産できるようにすることを目的とします。
ERPは企業資源を有効活用化する
一方、ERPは会社を回していくのに必要な資源、いわゆるヒト(人材)、モノ(製品やサービス)、カネ(資産)、情報(売上/顧客データ等)を管理します。
調達〜販売の領域のみならず、管理部門などで利用する経営に直結するデータなどを、部門の垣根を超えてリアルタイムに管理するものです。
大きく違うのは、SCMはシステム環境が無くても実行できるのに対し、ERPは一定規模のシステム環境がないとリアルタイムに管理ができません。導入費用が一定額かかる点で、SCMとは異なります。
SCMとERPで効率化を実現しよう!
SCMとERPについて、それぞれ解説しました。どちらも、業務を効率化しようという目的は同じです。双方のポイントを理解して、自社に必要かどうか、ぜひ検討してみてくださいね!
Portrichでは、物流の最適化をご提案しています。物流や貿易での効率化をご検討の際は、ぜひ当社までお問い合わせください!
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